大判例

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京都地方裁判所 昭和60年(わ)649号・昭60年(わ)805号 判決

被告人香山利次を懲役六月及び罰金八〇〇万円に、被告人西村勝雄を懲役一〇月及び罰金一、〇〇〇万円に処する。

被告人らにおいて右罰金を完納することができないときは、金二万円を一日に換算した期間、当該被告人を労役場に留置する。

被告人西村に対し、未決勾留日数中五〇日をその懲役刑に算入する。

この裁判確定の日から、被告人香山に対し二年間、被告人西村に対し三年間それぞれその懲役刑の執行を猶予する。

(罪となるべき事実の要旨)

第一 被告人香山利次、同西村勝雄は、被告人香山が所有する京都市南区久世殿城町三〇六番地の一ほか一筆の田を昭和五八年七月二七日一億九、八〇〇万円で売却譲渡したことに関して、右譲渡にかかる所得税を免れようと企て、全日本同和会京都府・市連合会会長鈴木元動丸、同会事務局長長谷部純夫、同会事務局次長渡守秀治及び元同会乙訓支部長今井正義らと共謀の上、同被告人の実際の五八年分分離課税の長期譲渡所得金額は一億八、四七八万五、一〇〇円、総合課税の総所得(農業所得、不動産所得)金額は三三四万二、三八四円で、これに対する所得税は五、六一七万六、八〇〇円であるにもかかわらず、株式会社ワールドが有限会社同和産業(代表取締役鈴木元動丸)から二億円の借入れをし、その債務について右香山が連帯保証人となり、右ワールドが破産したことから右連帯保証債務を履行するために右不動産を譲渡し、その譲渡収入で同年九月一五日に一億六、五〇〇万円を履行したが、右ワールドに対する求償不能により同額の損害を被った旨仮装するなどした上、同五九年三月九日、同市下京区間之町五条下る大津町八番地所在所轄下京税務署において、同署長に対し、右香山の五八年分分離課税の長期譲渡所得金額は一、〇九五万円、総合課税の総所得金額は三三四万二、三八四円で、これに対する所得税額は二三一万九、六〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右の正規の所得税額五、六一七万六、八〇〇円との差額五、三八五万六〇〇円を免れた。

第二 被告人西村勝雄は、前記鈴木元動丸、長谷部純夫、渡守秀治、今井正義及び加藤壽雄らと共謀の上、右加藤がその所有する京都市東山区新橋通大和大路東入二丁目清本町三七六番地の二所在の宅地、建物を昭和五九年六月二一日池田千鶴子に一億六、七七九万六、〇〇〇円で売却譲度したことに関して右譲渡にかかる所得悦を免れることを企て、右加藤の実際の五九年分分離課税の長期譲渡所得金額は一億五、七八九万六、一〇〇円で、これに対する所得税額が四、四一六万九、九〇〇円であり、かつ、右譲渡所得は五九年分として申告すべきところ、右譲渡時期は、同五八年一二月二二日で、買主は寺石源太郎であり、しかも株式会社ワールドが有限会社同和産業(代表取締役鈴木元動丸)から二億円の借入れをし、その債務について右加藤が連帯保証人となり、右ワールドが破産したことから右連帯保証債務を履行するために右不動産を譲渡し、その譲渡収入で同五九年六月二二日に二億四、五〇〇万円を履行したが、右ワールドに対する求償不能により同額の損害を被ったとして、同五九年六月二三日、東山税務署に、右加藤の五八年分分離課税の長期譲渡所得金額が八四〇万六、二〇八円、これに対する所得税が一七一万三、七〇〇円について申告漏れとなっていた旨の虚偽の五八年分所得税修正申告書を提出して前記宅地、建物の譲渡にかかる所得税について申告済みであるように装うなどした上、同六〇年三月一五日、同市左京区聖護院円頓美町一八所在所轄左京税務署において、同署長に対し、右加藤の五九年分分離課税の長期譲渡所得金額はなく、総合課税の総所得は八〇万一、五四一円で、これに対する所得税額はない旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右の正規の長期譲渡所得に対する所得税額四、四一六万九、九〇〇円を免れたものである。

(適用した罰条)

判示第一、第二の各所為

所得税法二三八条、刑法六〇条(併科刑選択)

併合罪加重(被告人西村につき)

懲役刑 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情重い判示第一の罪の懲役刑に加重)

罰金刑 刑法四五条前段、四八条二項

換刑処分 刑法一八条

末決勾留日数の算入(被告人西村につき) 刑法二一条

懲役刑の執行猶予 刑法二五条一項

昭和六一年四月四日

裁判所書記官 藤本博通

(裁判官 濱田武律)

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